悪魔? or 天使?(上)





そんな風にまた自分をだまして、


勝手に脳を落ち着ける。




あたくし、そういう人間ですから。




「…はぁ…何かバカバカしくなってきた。


何で泣いてんだろ。はい、しんみりタイム終了」




あたしは、頬を無情にも伝っていく涙をゴシゴシとこすり取る。




「お見苦しいところをお見せしました。では、失礼」



それだけ言ってくるりと後ろを振り返った。



さぁて、帰ろうか。




しかし、そういうわけにもいかず。




黒崎に腕を掴まれてしまった。