(きっと、3時間は待てる)
―――もしも
あと1時間後くらいに
ポツポツと雨が降ってきたら。
今日の天気予報では
降水確率20%で、
20%に期待しきれなかった
あたしは傘を持っていなくて。
小さく吐息をついて
止むまで待つか
走って帰るか
考える。
夢見たドラマに期待するか
小降りの今に諦めるか
考える。
今、みたいに。
例えば明日風邪をひいても
傘をさした通行人に怪訝な目を向けられても
相良くんがこのことを知ることはなくても
相良くんが来なくても
それでもあたしは、今、待っている。
そういう考えが浮かんでも、頭の中が疑心だらけになっても、足は動かずここにいる。
(気持ち悪いと思うかな)
ドラマを期待して。
期待して、それが叶わなかったときの痛みを知ってるのに。


