シャッ




「あら!随分よく寝たわね~」



まったりした保健室の先生の声がして、あたしは少しほっとした。

誰もいないなんて寂しいな、と思ってたところだったから。



「すいません…。昨日も一昨日も、ちゃんと寝たハズなんですけど……」


「うん、いいのいいの。いくら寝たって害にはならないもの。それにわたしはついさっき戻ったところだしね」



お礼なら相良くんに言ってあげて、

そう言われて、なんで相良くんなんだろうと首を傾げた。



「どうして、相良くんに?」


「相良くん、岡本さんが倒れたって焦った様子であなた抱えてここに来たのよ。

わたしが放送で職員室に呼ばれてここを出なくちゃいけなくなった時、相良くん、『俺、残ってていいですか』ってわたしに言ってね。

岡本さんったら叩いても起きないし、表情も苦しそうで、わたしも少し不安だったからお願いしたの。

それで……、少ししたら戻ると思ってたんだけど、今戻ってきたら、彼、あそこのソファにもたれて寝てて」



と、先生が指さしたのは、あたしが寝てたベッドのそばにある、長椅子。


カーテンでしきられた中にイスがなかったのは、こっちに移動してたから?

『さぼるため』だったんじゃなかったの?



ずっと……って

―――どうして、そんなに?



それに、抱えてきてくれたなんて、知らなかった。

相良くんは一人であたしをここまで連れてきてくれたの?