「…………」



雨上がりの歩道を並んで歩く。

何も知らない通りすがりの通行人から見たら、あたしと相良くんは何に見えるだろう?

恋人? それとも友達?



(恋人、だったら)



いいな。

だけどさすがにそれはないか。きっとあたしが釣り合ってないし。



「寒い日に雨ってさ」


余計寒いよね。息が白くなんのは楽しいけど、苦手―――






「……あたし」



…そんなふうに、マフラーに顔をうめて呟く姿をもっともっと見つめていたい。



「あたしも、」



だけどそしたらきっと、穴が空くまで見つめちゃいそうで。

相良くんに気持ち悪がられたら嫌だから、すぐに地面に視線を落とした。



「……苦手」



ただ隣にいるだけで、こんなにドキドキしてしまうんだから。