僕等のレイニーデイズ




「俺、岡本さんと話してると、楽しい」


相良くんは、物事へのあたしの反応にいちいち笑う。

クスクスと笑ったり、声をださずに笑ったり、かと思えば声をあげて笑うときもあって。


(色んな顔があるなぁ)


一見にしても、草食なのか肉食なのか、どっちと言われても、「あぁ~」と納得してしまう感じだけれど。



相良くんの性格は、
豪快なのか繊細なのか、優等生なのか悪戯っぽいのか、マイペースなのかそうじゃないのか、わからない。

それにこっちが恥ずかしくなっちゃうようなことを、顔色も変えず、自然に、意とも簡単に口に出す。



色んな面がチラホラ見えて、でも、そんな相良くんにいちいちドキッとしてしまう。

彼には、どんな性格も馴染むしどんな言葉遣いも馴染んでしまう。



――ただ、ひとつ確実なのは。

相良くんが優しいということ。
























今更、沈黙が二人を易しく包み込んでやっと、あたしは空気の冷たさを感じて小さく身震いした。





どうしてお互い立ち上がるそぶりもないのか。

どうして、ここに来たのか。
どうして、ここにいるのか。


わからないこと、わかりたいことはたくさんあるけど、こういうもんなのかと自己完結した。