そんなこんなな絡みを真田と繰り返しているうちに、いつの間にか帰りのSHRが終わって、まわりが一層騒がしくなった。


(…今日は掃除ないんだ)



どうせ今日も彼氏さんと帰るんだろう真田をジトっとした眼で見つめてから、バレてないうちにあたしは誰か友達を誘ってさっさと帰ろうと試みた。


今日はひとりで帰る気分じゃない。






































『ばいばい』


と、

挨拶がいくつも重なる校舎内。あたしの意識はつい、自制がきかずに玄関に向いてしまう。


(…こんなに会わないもんなのかな)


なんだか本当に、昨日のアレは夢なんじゃないかと思えてきてしまう。


彼は、実はあたしの造り出した妄想だったとか―――――



「…おーい?聞いてるー?」


つん



(やめやめ!)



ほっぺたに指をさされてハッとした。



気づけばもうすぐ玄関。

思わず、なんてバッドタイミングで意識が定まってしまったんだとしょげた。

……どうせなら門をでてからがよかったのに。




「ごめんごめん!」


(それじゃあ、紗由に失礼だよね)



あたしは紗由の話に意識を完全に向けようと、あからさまかもしれないけど、一切昨日のアノ場所が視界に入らないように首ごと紗由の方に向けた。


(馬鹿だ、あたし)


なにを無駄に意識してるんだ、