「会いたい…」 ぼそっと口をついて出た。 本心だけれど、気持ちが溢れて言葉になってしまった。 (ななななんなん) なに、これ…? まるで、自分がなにかの少女漫画の主人公になったみたいで、ドキドキする。 (………『恋に恋する』にはならないように、『彼に恋する』あたしでいたいと思う) いつの間にかあたしはすっかりこの恋に、いや、彼に、夢中になっていた。