「ねえ、行きましょ、結祢。今夜は満月でとっても夜空がきれいなの。いとこ君達が居たら、騒がしくて感動に浸れなそうでしょ?だから、二人が起きない内にこっそりと。」
口を塞がれて声を出せない結祢は、何か言いたげにディザスとクレイの二人に目だけ向けた。
「大丈夫よ。そんなに長くはならないわ。満月を見上げながら少し話をするだけよ。時間にすると……十分ぐらいかしら。」
結祢は、そのくらいの時間ならばいいと黙ったまま頷く。
ティディは嬉しそうな笑顔を見せた。
「ふふっ、ありがとう。さあ、行きましょう。」
ティディに手を引かれ、ディザスとクレイの二人を省みながらも結祢は大人しく後を付いていった……。


