「結祢にクレイにディザスね。覚えたわ。」
「私もしっかりティディさんの名前、覚えました!ご恩は忘れません。」
元気よく言う結祢に、大げさねえとティディがクスクス笑った。
「不躾ですけど……ティディさんは、お一人でいらっしゃったんですか?」
「そうよ。どうして?」
「いえ……ティディさんほどの美人なら、男の方は放っておかないのではないかと思いまして。余計な詮索してすみません。」
ペコリと頭を下げる結祢。
それに対し、ティディはなぜか苦い笑みを浮かべていた。
「モテないことはないけれどね……気が乗らないっていうか……一人の方が楽なのよ、いろいろとね。」
「何だか大人の女性の発言って感じですね……。」
「えっ?ま、まあ、そうね……あっ。あたし、そろそろ上がるわね。けっこう長風呂になっちゃってるから。」
「あっ、ティディさん!……もう少しお話したかったんですけど。」
慌ただしく風呂から出て行くティディを見つめて、結祢は残念そうに呟いた。


