「大丈夫?全く……最近はデリカシーゼロの男ばかりで嫌になるわよね。節度をわきまえないで、お風呂の中でまでちょっかい出すなんて。」
ディザスとクレイに聞こえないようにと、紫髪の人物は声を潜めて言った。
「は、はい、大丈夫です。あの……助けてくれてありがとうございます、と言いたいところなんですが……私、絡まれていたわけではないんです。あの二人は一応いとこで……私も売り言葉に買い言葉というやつで、承諾の上のことなんです。」
「ただの痴話ゲンカだったってわけ?嫌だわ、あたしったら……余計なお節介焼いちゃったのね……。」
結祢の状況説明に、紫髪の人物はしゅんと落ち込んだように眉を下げた。
それを見て、そんなことないですと結祢は手を上下に動かしながらフォローを入れる。


