(ううっ……当たってる……。) 更衣室まで聞こえてくる二人の声を聞きながら、結祢は立ちすくしていた。 (け、けれど、ここで逃げたら、私の負けです!意地でも……入らなきゃならないんです!) 結祢は弱気な自分を叱咤して、勇気を出して浴場のドアを開けた。 「逃げずにちゃんと来たじゃねえか、結祢。その度胸は誉めてやるよ。」 「あっ、結祢ちゃーん。こっちこっちー!」 ドアの向こうでは、意地悪そうに口を歪めたクレイと、すいすい泳ぐディザスの姿があった。