「奇跡的にって何ですか!失礼ですよ!」
「ああっ?おまえが誰かを誘おうとするなんて、奇跡以外の何でも無えだろ。引っ込み思案で恥ずかしがり屋な優等生の結祢ちゃん?」
クレイはからかっているように、結祢にニッと笑いかける。
尖った牙が二本、ぎらりと鈍く光った。
「バ、バカにしないで下さいよ!わ、私だって……好きな人の一人ぐらい……居る……んです!」
「最後、聞こえなかったぜ?好きな奴が居る?居ない?」
「もーう!!絶対、クレイ君だけは誘ってあげませんから!!」
顔を真っ赤にして怒る結祢と、ニヤニヤ笑いを浮かべるクレイとのやり取りを見て、ディザスは拗ねたように口を尖らせた。


