「……答えられないということは、やましい理由があるのですね?いいですわ、わたくし自身が下界に言って二人を連れ戻して参ります。」


「ま、ま、待ってくれ、ロール!そ、それはいかん!」


両手を伸ばして、大慌てでロールの前に立ちふさがる閻魔。


何ですのとロールは怪訝そうに眉を潜めた。



「ロ、ロール……そなたは、わしの麗しい妻じゃ。ま、万が一、何かあったらと思うと、わしは……わしは……!ううっ……。」


その場に泣き崩れる閻魔に、ロールは呆れたようにふうとため息をついた。



「はあ……仕方ありませんわね。わかりましたわ、わたくしは行きません。他の者を行かせますので泣くのをやめて頂けますこと?下界の梅雨のようにうっとおしくてかないませんわ。」


「ロール、ありがとう……ううっ。わしは、良き妻に恵まれて幸せ者じゃ……。」