(さっきは奇跡的に助かったけど……もうダメですね……。星駆君……私のために傷を負わせてしまってごめんなさい……。ディザス君、クレイ君、短い間でしたがさよなら……。)
結祢の瞳にじわりと涙が浮かぶ。
その涙は、風によって上へ上へと流れては地面にポタポタと円を作った。
(お母さん……若くして亡くなる不幸をお許し下さ……)
「諦めるのは早いよ、結祢ちゃん!!」
風の音に混じって、青年の声が聞こえたかと思うと、結祢の体は空中で制止していた。
正確には、星駆のように誰かが彼女の体を抱えてくれたのだ。
「ディザス君……!」
結祢は助けてくれた人物の名を呼びながら、目を見開く。
ディザスは、そうだよと嬉しそうに笑顔で頷いた。


