「アバリィ達と遊びたいのー?いいよー。行っちゃって、ラオ。」
「……遊んであげる。行け、ルノ。」
ラオとルノ、二つの魔手は手のひらをガバッと開いて星駆に向かってくる。
「星駆君!危ないです!!」
結祢がそう叫んだ瞬間。
星駆は右手人差し指で引き金を引いた。
「三速連弾。」
パシュパシュパシュと銃口から三本の小さな矢が発射される。
矢は魔手に向かって真っ直ぐに飛んでいくと、両方の親指部分に突き刺さった。
更にもう一本の矢は、
「……っ!」
トゥルケの翼を掠めて、羽毛を散らす。
「す、すごいです、星駆君……。」
手をパーに開いてピクピクと痙攣している二つの魔手を見て、結祢が呟く。


