(やっぱり、鬼ゴッコは続けるんですね……。)
体に吹き付ける風を感じながら、結祢は呆れたように思う。
地面まであと一メートルになったその時。
「結祢ちゃん!」
名前を呼ぶ声がして、その直後に結祢は背中に柔らかい衝撃を覚える。
どうやら、誰かに抱きかかえられているようだった。
「結祢ちゃん、しっかりして!」
「んっ……この声は……星駆君ですか?」
結祢がゆっくりと目を開けると、心配そうに自分を見つめる星駆の顔が見えた。
星駆はホッと息を漏らすと、結祢を地面にそっと下ろす。
「結祢ちゃん、苛めたの、あんた達?」
星駆の鋭い視線を感じても尚、アバリィとトゥルケの表情を変わらない。
二人共、無表情な顔で星駆を見返していた。


