「き、きゃあああ!!」
自由になった結祢の体は、地面に凄まじいスピードで落ちていく。
(ああ、私……死んじゃうんでしょうか?十六年間、真面目に勉強して当たり障りのない地味でも充実した人生を送っていたのに……。)
結祢は目を閉じて、両腕を伸ばし重力に身を任せた。
地面はもう二メートルまで近付いている。
「……今更だけど、アバリィ。人間って、あの高さから落ちたら死んじゃうんじゃない?」
「そうなのー?まあ、いっかー。死んじゃったら、天界で鬼ゴッコの続きやればいいよー。」
トゥルケとアバリィは、呑気に構えていて結祢を助けようとする素振りは見せない。


