そして、今に至る。
「……つかまえた。」
「きゃあ!?」
トゥルケの魔手が結祢の体を背中から掴み上げる。
体が電線ぐらいの高さまで急に上昇し、結祢は多少の気分の悪さを覚えた。
「お姉さん、つっかまえた。鬼ゴッコはアバリィ達の勝ちだね。」
相変わらずの無表情な顔で、アバリィが勝利を宣言する。
彼女の魔手は拳をグーの形に丸め、ガッツポーズをしていた。
「お、下ろしてください!!高いところは苦手なんです!!」
結祢は大粒の涙を流しながら、絶叫する。
けれど、通りを行く人々は何事も無いかのように通り過ぎていく。
まるで、結祢の姿も双子天使の姿も見えていないかのように。


