「初めまして!結祢のいとこで、ロール・ハバート・ディザスっていいます。仲良くしてくれると嬉しいな!」
ディザスは極上のサービススマイルを浮かべて言って、
「……同じく、結祢のいとこでディザスの弟のロール・ハバート・クレイ。」
クレイは無愛想な表情で端的に自己紹介した。
教室内の女子から、きゃあとか素敵とかいった黄色い悲鳴が飛ぶ。
「結祢ちゃん……外国人のいとこ、居たんだ?」
結祢の隣の席でぼやっとしていた星駆が、小声で尋ねる。
「は、はいっ。わ、私も最近知ったんですけどね……。」
(ううっ……星駆君にまで、嘘をつかなきゃならないなんて……とても心苦しいですね。)
軽い自己嫌悪に陥り、結祢は机に顔を伏せる。


