「……イ!……レイ!クレイ!」
「うっ……。」
どのくらい時間が経ったのか。
自分の名を呼ぶ声に気付き、クレイは目を覚ました。
まだ意識がはっきりしていないため、視界はもやがかかったようにぼんやりとしている。
それでも自分を覗き込んでいる青年がディザスだということと、自分が居る場所が閻魔の居城だということはわかった。
「ディザ……っ!!」
クレイはガバッと勢いよく起き上がろうとしたが、全身に走った痛みのために上半身は僅かにしか動かせなかった。
「まだ起き上がるなって!酷いケガしてるんだからさ!」
ディザスは目を丸くして注意すると、クレイの体を再びベッドに寝かせ直す。
彼の赤い瞳には光が宿り、表情も和やかだった。
「……っ……おまえ……本当に、ディザス……なのか?」


