ディザスは、そうかな照れたようにニッと笑って見返す。
「そりゃもう、泣き虫の中の泣き虫って感じでさ。雲の地面に転んでは泣く……同い年くらいの天界人にからかわれては泣く……母さんに厳しいお説教されては泣く……。たぶん、一日一回は泣いてたよなあ。」
「一日一回は確かに多い気がしますね。」
結祢は右手を口に当てて、クスッと小さく笑った。
「あっ、やっぱり?でもさ、とある日にクレイが言ったんだよ。“そんなに泣いてっと、大事な時に涙が出なくなっちまうぜ。大体、男が泣いていいのは、親が死んだ時だけだろうが”って。それを聞いてからは、不思議と泣かなくなったんだよ。」
「そうだったんですか……。」


