結祢の優しい声かけに耐えきれず、ディザスは声を殺して泣き始めた。
「大丈夫……大丈夫ですよ……。いつも助けられてばかりですから、たまには私もあなたの役に立ちたますから……。ディザス君の心が落ち着くまで……全ての物からあなたを守ってみせます……。」
……。
………。
…………。
小一時間ほど経ち、ディザスはようやく泣き止み、左腕で顔をごしごし擦ってから顔を上げる。
長時間泣いていたためにディザスの真紅の瞳は充血しており、整った鼻もトナカイのように赤く腫れていた。
「俺さ……他人前で泣いたのって、ものすっごく久しぶり。最近は全然泣かなかったからさ。昔は泣き虫だったんだけどね。」
「泣き虫だったのですか?そうは見えませんけど……。」
結祢は意外だと言わんばかりに、まじまじとディザスを見た。


