「父さんも行方知れずのまま……。あいつはきっと、天界の次に下界を狙う。俺はまた……見捨ててしまうんじゃないかって……大切なものを失いそうで不安なんだよ……。」
(ディザス君……震えてますね。よほど辛い目に遭ったのでしょう……。)
小刻みに震えるディザスの体を覆い被さるようにして包み込み、結祢は子供をあやすように右手で彼の髪をそっと撫でる。
ディザスは肩をビクッと動かしたが、結祢の手を振り払おうとはしなかった。
「悲しくて悔しくて……仕方がないんですね、ディザス君。こうやって私があなたの顔を隠していますから、思い切り泣いていいですよ……。」
「ありがとう……結祢ちゃん……。俺……俺……っ……うっ……ううっ……。」


