(この食べ方……なんだかリスがくるみを食べる時の食べ方に似ている気がしますね。)
クマミミ少年の食べっぷりを見ながら、結祢は口に手を当ててクスッと笑みを漏らす。
クマミミ少年は、食べ止めて水色の瞳を射抜くように細め、ムッと口を尖らせた。
「何がおかしいのじゃ?」
「あ、いえ……すみません。た、ただの思い出し笑いです……。」
「……おかしな女子じゃのう。」
クマミミ少年は不思議そうに首を捻ったが、すぐにショートケーキに興味の対象を戻して食べることを再開した。
「あっ、そう言えば、名前を聞いていませんでしたね……。わ、私は、高校一年の綿葉 結祢です。えっと、あなたは……」


