両手でディザス達を自分の後ろに押しやり、ネックレスを触りながら防護魔法の発動を試みたクレイだったが、彼は突如として左胸を抑えてドッと地面に倒れた。
「クレイ!?」
「くそっ……いつもいつも……大事な時に限って……ごほっごほっ!」
咳き込んだクレイの口から、少量の赤い液体が吐かれる。
「ディザス、迷っている暇はありませんわ!グズグズしてないでお逃げなさ……っ!!」
「母さん!!」
飛んできたプラズマを、ロールは素早く張った防護魔法のリフレクトバリアで防ぐ。
だが、プラズマは跳ね返されずに、じわじわとバリアを溶かして侵入してきた。
「一人じゃ無茶だって、母さん!俺も残って……」
「行きやすぜ、ディザスの旦那。」
「うわっ!?な、何すんだよ!離せって!!」


