唐突に聞こえてきた声に、ロールは立ち上がり、すぐさま身を翻す。
クレイ、ディザス、トライプの三人も振り返って声の主を確認した。
声の主は、金色の髪に鬼のように尖った角が二本、くるんと半月形にカールした二束の髭、右手には三叉槍を持つ初老の男性だった。
ぎょろっとした大きな青い瞳を持ち、首からは黒い帳簿がかけられ、閻魔によく似ている。
「父さん……?こんな大変な時にどこ行って……」
「ディザス!ダメですわ!」
「わっ!?」
閻魔らしき人物に歩み寄ろうとしたディザスの左腕をぐいと引っ張り、強い口調でロールは留めた。
ディザスは困惑しているように小首を傾げて、ロールを見返す。


