「あそこに居るお人……まだ声が出ていやす。助けやせんと!」
その場から五十メートルほど離れた場所に、苦しそうに肩で荒い呼吸を繰り返して時折呻き声をあげる一人の女性天界人の姿が確認できた。
「あれは……おふくろだ!ディザス、落ち込んでねえで行くぞ!」
「えっ……う、うん!」
クレイとトライプに伴われ、ディザスは倒れた女性天界人の側へ走り寄る。
近付いて見ると、確かに彼女はディザスとクレイの母親であるロールだった。
けれども、左肩全体に深い火傷、右頬と右脚に軽い火傷を負っており、ウェーブがかった銀色の髪も所々焼け焦げた無残な状態である。
「うっ……。」
「母さん!しっかりしてよ、母さん!!」
ディザスが声をかけながら体を揺すると、ロールはううっと呻きつつも顔を上げた。
「ディザス……クレイ……。なぜ……ここに居るのです……?早く……お逃げなさい……。」
「逃げろって……何からだよ?一体、何が起き……」


