「まあ、追い払ったがのう。じゃが、それはあやつらが小生の昼寝を邪魔したからじゃ。べ、別におぬしを助けたわけではではないのじゃぞ!」
少年はほんのり頬を赤くして、フイとそっぽを向く。
「それでも……結果的には助かりましたから。ありがとうございました。」
ぺこりと頭を下げて言う結祢をチラと見て、少年はまた視線を逸らす。
「た、助けたわけではないと言っておるのに……他人の話をよく聞かない女子じゃのう。そ、それにじゃ、言葉による礼など小生にとっては何の得にもならぬ。本当に心から感謝しておるなら、誠意を示してほしいものじゃ。」
「誠意と言われましても……何をすればいいんですか?」
「そうじゃのう……小生は少しばかり腹が減っておる。何か甘い物が食べたいのう。例えば、ショートケーキとかじゃな。」
「ショートケーキ、ですか。わ、わかりました。一緒に買いに行きましょう。」
嬉しそうにきらきらと目を輝かせる少年と共に、ケーキ屋へ向かう結祢だった……。


