「なぜ止めるのじゃ!おぬしはあの者らに、恩でもあるのか?」
「お、恩はありませんけど……。で、ですが、いくら悪魔とはいえ、目の前で消されてしまうのを見るのは気持ちが良くありません!」
結祢の目にはうっすらと涙が浮かび、声も震えている。
「おぬし……。」
「お願い……します。あの方達の命だけは助けてあげて下さい。」
「……。」
深々と頭を下げて恩も無い悪魔達の命乞いをする結祢を見て、少年はふむうと感慨深げな声を漏らした。
口に人差し指を当て、数秒考える素振りを見せてから、少年は悪魔達に向き直る。
サワジィとアテュディラの二人の肩が、怯えているようにビクンと跳ねた。


