「情?良心?そんなものでは世の中は渡っていけんのじゃ!特に天界人はのう。知らぬなら覚えておくがよい!」
少しばかり気が晴れたのか、彼の口には僅かに笑みが浮かんでいた。
(つ、強いですね、この方……。)
結祢は少年の後ろ頭を見上げながら思った。
背は結祢の方が明らかに高いが、へっぴり腰で少年の背にしがみついているため、見上げる形になってしまったのである。
「そろそろ、遊びは終わりじゃ。小生を嘲け笑った自分自身を呪いながら、消し飛ぶがよい!爆厄の……」
「ま、ま、待って下さい!」
「むうっ!?」
木札を取り出しそうとした少年の右手を、結祢は両手で押し止める。
少年は止められた理由がわからず、怪訝そうに眉を潜めて結祢を見た。


