「……って、慌てる必要は無いわ、サワジィ。私達の闇の包囲網からは、決して誰も逃げることはできないのだから。」
「そうだったね……。狩りをするようにじっくり追い詰めてから、魔力を頂戴するとしようか。」
二人の悪魔は顔を見合わせてからニヤリと笑い合うと、黒い翼を広げてファサファサと結祢を追いかけて飛び立つ。
「と、飛んで来るなんて卑怯ですよ!!」
二人の悪魔とは反対に、結祢はひどく狼狽していた。
かれこれ、三十メートルは走ったというのに、一向に元の空間に戻れないのである。
黒いもやはどこまでも続き、悪魔達が不適な笑い声を上げながら、じわじわと距離を詰めてくるのを結祢は背中ごしに感じた。
(こんな時、ディザス君とクレイ君が居てくれれば……。なんで肝心な時に天界に帰ってしまってるんですか?)
「ディザス君……クレイ君……。」
心細くなった結祢が、双子悪魔の名前を呟いた時。


