「あらあら、さっきまでの威勢はどこに行っちゃったの?」
アテュディラと呼ばれた女性悪魔は、口に右手を当ててクスクス笑う。
「まったくだね。彼女は、怖くて声すら出ないようだ。しかし、妙だね。」
「何が妙なのよ、サワジィ?」
「彼女から微かに天界人特有の匂いがするんだ……。初めて天界人に会ったようなリアクションをしているのに……明らかに矛盾している。」
サワジィというらしい男性悪魔は、考え込むように左手拳を顎の下に当てた。
そんな彼に対し、別におかしいことじゃないじゃないと、アテュディラが返す。
「彼女が“魔力の貯蓄庫”なのは、ほぼ間違いないわ。だったら、私達の前に彼女を狙って近づいた天界人が居ないとも限らないじゃないの。」


