それから、ゆっくりした足取りで帰り道を歩き出した……はずだった。
次の瞬間。
「えっ!?な、何なんですか、これ……?」
結祢の周囲の景色が一変したのだ。
後ろには図書館、前には住宅街、空には灰色の雨雲が広がっていたはずが、今は周囲一面、黒いもやに覆われていたのだ。
「な、なんで急に……?さ、最近、問題になっている異常気象というものでしょうか……?」
「残念、外れだよ。異常気象なんかじゃない。作為的な異変さ。」
結祢の疑問に答えるように、どこからともなく声が聞こえた。
アルト調の高めの声で、性別は聞き分けがつかない。


