彼と結祢が使用している机の上には、数学の教科書とラインが入ったノートが広げられていた。
「すごくわかりやすい説明だった。結祢ちゃん、勉強教えるの上手。」
「そ、そうですか?むしろ、わかりにくいのではないかと心配していましたが……。」
「ううん、全然。先生に教わるより、よくわかるかもしれない。」
柔らかく微笑んで言う青年に、誉めすぎですよと結祢は照れ笑いを浮かべた。
「そう言えば……星駆君と一緒に勉強するのは久しぶりな気がしますね。」
「うん……僕もそう思う。最近の結祢ちゃんは、あいつらとばかり一緒に居るから。」
星駆の顔から笑みが消え、沈痛な面持ちに変わる。
「あいつらが来てから、結祢ちゃん、別人みたいになったね。」


