「お、おいっ、ディザス!一人で行くんじゃねえ!」
ディザスはクレイの胸倉から手を離すと、脱兎の如き速さで地獄地区に向かって駆けていく。
「ディザス!!くそっ……!追うぞ、トライプ!!」
「了解しやしたよ、クレイの旦那!」
クレイとトライプもすぐに後を追う。
その際、トライプはワインを飲み干し、グラスを割らないように丁寧に机に置いたのだった……。
一方、下界の結祢はというと……。
「……というわけで、ここの答えは百二になるんですよ。」
「なるほど……。ありがとう、結祢ちゃん。」
休日だというのに、図書館で一人の青年と一緒に勉強をしていた。
黒い短めの髪に栗色の瞳を持ち、右前髪に紐アクセを付けた青年で、歳は結祢と同じくらいに見える。


