「それにさ……患者の状態話している時に、医者が酒飲んでていいのかな?ちょっと、患者に対して失礼な気がするなあ!」
双子悪魔に代わる代わる怒られ、少しムッとしたトライプが何か言い返そうと口を開いた時。
ウォォォーンとサイレンのような凄まじい警告音が鳴って
『警報、シングルS!警報、シングルS!地獄地区内及び、その付近の天界人は即刻離れて下さい!』
天界中に響き渡るような大きな声の放送が流れた。
途端に、ケンカをしていたディザスとクレイ、優雅にワインを飲んでいたトライプの三人は、互いに顔を見合わせる。
「珍しいですねい……予報のAもBも無くて、いきなり“シングルS”警報が鳴るなんて……。」
「ああ。それも“地獄地区”だからな……。」
トライプとクレイの意見を聞いて、ディザスはハッと何か気付いたように目を見開く。
「地獄地区と言えば、俺達の居城がある地区じゃん!もしかしたら、父さんと母さんに何かあったんじゃ……?俺……様子を見に行って来る!」


