「少し……くらっとしただけだ……。結祢が……大げさに騒ぎ……すぎなんだよ……。」
「大げさって……血を吐いてるところを見たら誰だって騒ぎますよ!それに、クレイ君が……」
先ほどのことを思い出して、結祢の顔にカアッと血が上る。
「血を吐いてたって……まじかよ、クレイ!?相当、具合悪いじゃん!は、早く、医者に行かないと!!」
幸いなことに、ディザスはクレイの身の方を心配して、結祢の変化に気付かなかったようだ。
追求されなかったことに、結祢はホッとしたと共になぜか一抹の寂しさも感じていた。
(ディザス君……私とクレイ君との間に何があったか、興味は無いんでしょうか……。そもそも、ディザス君は私のことをどう思っているんでしょう?私は……)


