「クレイ君、クレイ君!!聞こえますか!?」
「騒がしいなあ……。何かあったの、結祢ちゃん……?」
騒ぎを聞きつけて、右腕で目元を擦りながら一人の青年が歩いてきた。
「ディザス君……起こしてしまってすみません……。だ、だけど、クレイ君が大変なんです!!」
ディザスと呼ばれた青年は、クレイと同じ“悪魔”であった。
斜め分けされた金色に輝く髪に赤い瞳。
歳は結祢とクレイより一つ上だが、その純真無垢な性格と卵型の顔が年の差をあまり感じさせなかった。
「ええっ!?クレイが大変ってどういうことなの、結祢ちゃん?」
ディザスは一気に眠気が吹き飛んだようで、目を見開いて訊く。


