「ふ……ふざけないで下さい!なんで……なんで、こんなことするんですか!!」


結祢は潤んだ瞳で、クレイをキッと睨みつける。

クレイは左手の甲で口元を軽く拭ってから、結祢を睨み返した。



「助けたいって……言ったのは……おまえだろうが……。」


「た、確かに言いましたよ!だ、だけど、それとこれとは話が別です!!」


「……別じゃねえよ。大体、こんなのは悪魔が人間から……魔力を吸い取るための儀式でしかねえんだからな。いちいち、騒ぐんじゃねえ……」


クレイの体がドッと床に倒れる。



「えっ……ち、ちょっと!クレイ君!?し、しっかりして下さいよ!!」


結祢は怒りも忘れ、慌ててクレイの体を抱き起こした。



「うっ……っ……。」


彼女の声が聞こえているのかいないのか、クレイは目を閉じて呻き声を上げるだけで返事をしない。