頬を赤くして固まる結祢を、クレイは覆い被さるような状態で見下ろす。
彼の表情は、憂いと僅かな優しさに満ちていた。
「あ、あの……クレイ君?」
「……。」
クレイは無言で結祢に顔を近付けていく。
「ク、クレイ君!質問に答えて下さいよ!ほ、本当に何する気なんですか!?」
結祢は手をばたつかせて暴れたが、クレイの両手に手首を押さえつけられて身動きがとれなくなる。
「……。」
「……っ!?」
やがて、クレイと結祢の口と口が触れ合う。
あまり嫌な気分はしなかったことに、結祢は自分自身驚いた。
時間にして五秒間ほどそうしていて、結祢はハッと我に返ってクレイの体をドンッと両手で突き飛ばす。
「……っ……病人にはもう少し……優しくしろよな……。」


