気にする風もなく、むしろ仲裁をするような口調で言ったロールに、ティディは拍子抜けしてしまった。
「で、でも、ロール様……」
「うちの男方が、デリカシーというものをわかっていないのは、わたくしも承知の事実ですの。クレイは、天界でもこの調子ですもの。馬の耳に念仏……叱っても無駄なことですわ。それに……」
言いかけて、ロールは目を見開いて口を閉じた。
「ロール様?」
不審に思って、ティディが彼女の顔を覗き込む。
しかし、ロールは心配しないでとばかりに首を二度横に振った。
「……いえ、何でもありませんわ。とろとろしてないで、早く天界に戻りますわよ。」
「はい、ロール様!ティディ様もほら早く!」


