「わ、私からもお願いします、クレイ君。ディ、ディザス君を治してあげて下さい……。」
どきまぎしながら言う二人を見て、クレイはにやにや笑いを浮かべつつもディザスに回復魔法のリカバリーライトをかけた。
「そ、そうです!ロ、ロールさんは無事なんでしょうか?」
「無事ですわよ。」
結祢の質問に、ロール自身から答えが返ってきた。
「えっ?」
結祢がロールと双子堕天使の方に視線を動かすと、いつの間にか勝負はついていた。
二体の魔手は黒い煙を上げながら床に伏せていて、双子堕天使が両手に携えている鏡には真っ二つにヒビが入っている。
「な、何が起きたんですか?」


