「止めるに決まってるだろうが……この阿呆。あいつらのことはおふくろに任せて、おまえは大人しく治療を受けろ。」
「嫌だ!俺も母さんを手伝う!離せったら!」
「ダメです!い、行かせません!」
乱入してきた声の主に、後ろから体を包むようにして押し止められ、ディザスはわっと声を上げた。
「ゆ、結祢ちゃん!?」
振り返ってみると、両目に大粒の涙を浮かべて見上げる結祢の姿があった。
「お願いですから行かないで下さい、ディザス君……。これ以上、ディザス君が傷つくのを見たくないんです……。ディザス君自身のために……それから、わ、私のためにも……お願いします……。」
「結祢ちゃん……わかったよ。」


