「母さん……そいつら……っ……すごく危険だよ!逃げ……て!」
「なぜ、逃げる必要がありますの?」
創傷部を右手で押さえ、顔をしかめて息絶え絶えに忠告するディザスに対し、ロールは涼しい顔で言葉を返す。
「なぜって……三人がかりでも……っ……勝てない相手なん……だよ!?母さん一人で……っ……勝てるわけが……」
「……ディザス。あなたは息子でありながら、わたくしの実力をわかっていないようですわね。わたくしの心配は要りませんから、あなたは早くクレイに傷を治してもらいなさいな!」
ロールは語尾を強めて言い放つと、もう目前まで移動してきた双子堕天使に目を向けた。
「あなた方……わたくしの息子と大事な部下に、何をなさったのか理解できていますの?」


