ヒュッと風を切る音がして、双子堕天使の鏡が散り散りに壊れ……
「そう簡単には行かねえか……。」
……はしなかった。
桃色のリボンが結ばれた魔手ルノが、大蛇矛の刃部分を正面から押さえていたのだ。
「隙ありー。」
「あっ……クレイ、後ろ!!」
間延びした口調のアバリィの声と、ディザスの叫び声が重なる。
クレイはすぐに振り返ろうとしたが、
「……っ!?」
赤いリボンが結ばれた魔手ラオの動きの方が一瞬早く、クレイの体はラオの中に掴まっていた。
「ク、クレイ君!」
「クレイー!待ってろ、俺がすぐに助けるから!!」
悲鳴に近い声を上げた結祢をその場に残し、ディザスは黒い翼を広げてクレイの元へ高速で飛んでいく。
だが、
「……ルノ、通せんぼして。」


