双子悪魔のホームステイ




「そう言われても、地面走ってたらすぐ追いつかれちゃうからさー。飛んで逃げた方がより安全じゃん?」


そんな彼女の訴えを、どこ吹く風といった態度で聞き流しているのはディザス。

背中に生えた黒い翼をめいっぱい広げて、飛行機よりも速く空を飛翔中である。



「待ちやがれ!!逃げんじゃねえ!ディザスはいいが、結祢にはきついお灸据えてやんねえと、気が済まねえんだよ!!」


数メートル後ろからは、クレイの怒鳴り声がひっきりなしに聞こえている。



「ど、どこまで行くんですか、ディザス君!?わ、私、もう限界なんですけど……。ううっ……気持ち悪い。」


「えーっ?空を飛ぶのは気持ちいいんだけど。うーん……じゃあ、あそこの公園に下りようか!」


グロッキー状態の結祢の顔を無理矢理上げさせて、ディザスはそこから一番近い公園を指差す。


噴水とシーソー、それと滑り台しか無い殺風景な公園。