星駆と呼ばれた彼は、黒い髪の前側に付けたターコイズの紐アクセを揺らし、栗色の瞳で交互に二人を見つめた。
「ディザスとかいうあんたに、話がある。……付いて来て。」
「俺?別にいいけどさ……」
ディザスはチラと結祢を省みる。
その意味をすぐに理解した結祢は、大丈夫ですと微笑で応えた。
「子供じゃないんですから、一人で帰れますよ。」
「そりゃそうだろうけど……」
「なるべく人通りの多い道を使って、急ぎ足で帰りますから。ディザス君は心配しないで、行ってきて下さい。」
それでもディザスは心配げに何度も振り返っていたが、やがて意を決したようにタタッと星駆の後ろを駆けて行った。
「青春やねえ、綿葉さん。」
二人の姿を手を振って見送る結祢に、まだ残っていたクラスメートの一人が声をかける。


