「本当にわかってんのかよ……?」
「わかってないことに“わかった”と生返事するような男やありやせんよ、あちきは。」
「うおっ!?あ、相変わらず、早えな……。」
診察室に姿を消して五秒と経たない内に再び姿を見せたトライプに、クレイは長椅子から半分ずり落ちるほど驚いた。
トライプは、すいやせんねと涼しい顔で詫びると、クレイの隣に腰を下ろす。
「はいよ、クレイの旦那ぁ。いつもの薬、百錠分。」
「おう、確かに受け取ったぜ。」
クレイはトライプの手から薬入りの袋を受け取ると、服の間にしまい込んだ。
「旦那ぁ……あんまり薬に頼りすぎるのも考えもんですぜ。たまには、抑えずに解放してみたらどうですかい?」
「それはできねえよ。余計、厄介なことなっちまうからな。」
「そうですかい。まあ、クレイの旦那が嫌と言うなら、強制はできやせんがね。……そろそろ帰るんでやしょ?」


