双子悪魔のホームステイ
















「やっぱりいいな、ここは。ギャーギャー騒ぐ奴が居なくて居心地が最高にいいぜ……。」


「旦那ぁ……ロビーでくつろがれても困るんですがねえ。」


天界の一端にある診療所。

そこの医師らしき白衣を着た男性は、ロビーの黒い長椅子に寝転がるクレイに向けて苦い笑みを浮かべて言った。


歳は二十代後半から三十代前半といったところだろうか。

女性に羨まれそうな整った小顔に黄色い瞳と、肩までの長さがある緑色のくるくるパーマ髪。

水色の羽根が付いた、手のひらサイズの小さな黒帽子を被っていた。



「クレイの旦那だけですぜ、こんな消毒液臭い場所でそんなにリラックスできる天界人は。」


「おいっ、勘違いしてんじゃねえよ、トライプ。俺様だって、消毒液の匂いは好きじゃねえ。けどな……静かな場所は落ち着くんだ。」


呆れたような口調で言って診察室に戻ろうとする医師に、クレイが訂正を入れる。

トライプと呼ばれた医師は、わかっておりやすぜと手をヒラヒラ振りながら診察室に姿を消す。