「そう・・・ですか・・・」


幸恵はガックリしたように俯いた。



「遅かったね?」


「はい・・・」



幸恵はわかっていた。
真樹がもう自分のものにはならないことを・・・


でも真樹はやさしいから、
この場には来てくれる、
そこでもう一度自分の想いを・・・



「私、バカですね・・・
最低だ・・・」


幸恵は後悔していた。
真樹のこと、そして真菜のことも・・・


「さぁ、店に行こう。
一杯おごるよ。」


ジンは何も言わずに幸恵の背中を
やさしく擦った。